天使が開けた密室


天使が開けた密室 (創元推理文庫)

天使が開けた密室 (創元推理文庫)


自分ランク:B
100冊62冊目


 行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。そのバイト先で高額の借金を負うハメになり困惑していたところ、「寝ているだけで一晩五千円」というバイトが舞い込んだ。喜び勇んで引き受けたら殺人事件に巻き込まれて…。怖がりだけど、一途で健気な美波が奮闘する、ライトな本格ミステリー。
 元々富士見ミステリー文庫の一冊として刊行された本書だが、唐突に東京創元社文庫にて再販された。ということは、さぞミステリー色が強いのだろうと思い(米澤穂信の例もあるし、ライトノベルの中には時おり傑作ミステリーが混じっていることがあるのだ)一読。
 で、感想なのだが、解決編での二転三転は及第点なのだが、前半部分のだらだら感と主人公を含む女子高生三人組の中途半端な描写がマイナスになってしまっている。いかにキャラクターを立たせるかはライトノベルの必須事項だが、この辺に本書が富士見ミステリー文庫ではイマイチな売上げだった点だろうか。何にせよ、次回作に期待。