カエサルを撃て

カエサルを撃て (中公文庫)

カエサルを撃て (中公文庫)

自分ランク:A
100冊中45冊


紀元前五十二年、美しくも残忍な若者ウェルキンゲトリクスは混沌とするガリア諸族を纏め上げ、侵略を続けるローマに牙を剥いた。対するローマ総督カエサルポンペイウスへの劣等感に苛まれていた…。ガリア王とローマの英雄が繰り広げる熾烈な戦いの果てに、二人は何を見たのか(アマゾン)


ガリアの王ウェルキンゲトリクスとローマ総督ガイウス・ユリウス・カエサルの対決を描いたスペクタル戦記。
若く美しく残酷なウェルキンゲトリクスの描き方もいいが、何といってもチビでハゲで劣等感の塊で、その劣等感を自覚するも中年のいやらしさでごまかそうとするカエサルの描写が最高である。塩野七生タンの書く完全無欠の皇帝カエサルよりもこちらのカエサルおっさんの方が余程魅力的だ。