プロ野球選手という生き方作者: 斉藤直隆出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2004/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る

【エース様の脱地味宣言!】

 例えば「翻訳家になるためには」とか、「獣医という生き方」といった風な、ある程度特殊ではあるものの、なろうと努力すればばれそうな職業の「HOW TWO本」は存在するが、まさかその題材を野球から取るとは思ってもいなかったので、書籍のタイトルを見た際のインパクトは強烈だった。
 尤も、肝心の内容は、「仮に自分が野球選手を目指し、その夢がかなった場合にどういった生活を送るのか」を、読み物形式で紹介している。よって、職業モノの「HOW TWO本」というよりは、一風変わったアプローチをした野球本であり、純粋に読み物として面白かった。
 なお本書は、やけに千葉ロッテマリーンズを取り上げてくれている(清水直行田中良平代田建紀選手のインタビュー、更に浦和のマリーンズ寮まで取材している)。ライターがマリーンズのファンなのが理由なのかもしれないが、直行がインタビューの中で「もっともっとメディアに露出して、マリーンズや自分をアピールしていきたい」と語っていたことから、案外マリーンズ側から出版社に協力を申し出たのかも知れない。
 一般の野球ファンが思い浮かべるマリーンズの選手といえば、ジョニー黒木小林雅英小坂誠ぐらいなものだろう。そういった意味では、地味なエース様の心意気や良し。ここ数年の活躍は日本を代表する投手に相応しいのだから。