三国志 第一巻、第二巻

三国志 第一巻

三国志 第一巻

三国志 第二巻

三国志 第二巻


自分ランク:A
100冊83、84冊目


 徳を失い腐敗した後漢王朝の悲劇から、壮大な叙事詩がはじまる。巨細にして周到な序曲。宮城谷版「三国志」いよいよ開幕。
古代中国の歴史小説家である宮城谷昌光が手掛けた「三国志」である。はて、どんな切り口で物語が展開するのかと思い読み始め、なんじゃこりゃ、登場人物が誰一人知らんぞと面食らう。
 それもそのはず、この「三国志」は後漢の六代皇帝安帝の時代から始まり、後漢という王朝が何故宦官と外戚を重用したのかを丁寧に描いている。
 特に順帝が宦官や外戚を重用したクダリには納得。歴史上、宦官や外戚を重用して後漢の滅亡を決定づけたと評価される順帝だが、その立場に立ってみれば決して間違った選択ではなかったなと。 
 ようやく二巻で黄巾の乱に突入。
 読んでいて、「なるほどなー」と思わずアイギス口調。
 吉川三国志、北方三国志とも違う、新しい三国志の幕開けである。