TOY JOY POP


TOY  JOY  POP (HJ文庫)

TOY JOY POP (HJ文庫)



自分ランク:C
100冊79冊目


 福沢礼一は退屈だった。世界には流言飛語が溢れてる。曰く「現世は神の怒りにより、間もなく滅びる」。曰く「手足をボキボキに折る関節ババアがいる」。などなど。でも、現実に福沢の周りには何も起こりはしない。山崎椎菜は問う。「フク、そろそろ死ねば?」「言葉って暴力だよね」。ただひたすらに駄弁るだけの5人の男女。彼らの中で周囲で暴走する、通常で異常なミステリー・シンキングタイム。青春は時として軽やかに迷走する。
 前半から中盤にかけては、会話も面白くないし、ただ饒舌に喋ってるだけだし、キャラクター描写もいまいちだなーと、途中で本を投げ捨てようと何度も思った。しかし、中盤以降、物語はスピードを増し、伏線は回収され、謎解きまで用意されるサーブス満点の展開に。
 ただ、この作者のクセは読者を選ぶので、万人にはオススメできませんが。