乱鴉の島


乱鴉の島

乱鴉の島


自分ランク:C
100冊70冊目


 友人の作家・有栖川有栖と休養に出かけた臨床犯罪学者の火村英生は、手違いから目的地とは違う島に連れて来られてしまう。通称・烏島と呼ばれるそこは、その名の通り、数多の烏が乱舞する絶海の孤島だった。俗世との接触を絶って隠遁する作家。謎のIT長者をはじめ、次々と集まり来る人々。奇怪な殺人事件。精緻なロジックの導き出す、エレガントかつアクロバティックな結末。ミステリの醍醐味と喜びを詰め込んだ、最新長編。
 本格ミステリ大賞の受賞作と有栖川有栖の名前からかなり期待して読んだのだが、うーん、これは。
 有栖川作品は江神シリーズ=本格、火村シリーズ=キャラ萌えという乱暴な認識を持っていたが、今回は火村先生もアリスもイマイチ萌えなし。
 代わりに登場するベンチャー企業のカリスマ社長、初芝真路(ってか、初芝ベンチャーって。マリーンズファンのオレにはキツイYo)の口を通じて、作者が語るコンテンツに関する色々な話は面白かったけど。
 あとは、論理の有栖川、驚愕の綾辻(今勝手に命名)だけあって、謎解きは理論的だが、驚きは少ない。自分にはそこが不満。