悪人列伝 近世篇
- 作者: 海音寺潮五郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/01/10
- メディア: 文庫
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自分ランク:B
100冊60冊目
本書では、日野冨子、松永久秀、陶晴賢、宇喜多直家、松平忠直、徳川綱吉の六人を取り上げている。この中で、真の悪人と呼べるのは何といっても松永弾正久秀だろう。他の人物は自国を強大にする為や意思の脆弱さから悪行を重ねていったのだが、久秀だけは別である。
自己の利益だけの為に主君を殺し、大仏を焼き、人を裏切ることに何の意識も感じない悪人である。こうした真の悪人は日本では珍しいのではなかろうか?
ここまで愛嬌の感じられない久秀は、やはり相当な人物だったのだろうな。