星虫

星虫 (ソノラマ文庫)

星虫 (ソノラマ文庫)


自分ランク:C

宇宙に憧れ、将来は宇宙飛行士としてスペースシャトルを操縦することを夢見る 高校生・氷室友美。そんな彼女が夏休み最後の夜に目にしたのは、無数の光る物体が空から降ってくる幻想的な光景だった。後に“星虫”と呼ばれるこの物体は、人間の額に吸着することで宿主の感覚を増幅させる能力を持った宇宙生物で、友美もすっかり星虫に夢中になってしまう。ところが、やがて人々の額で星虫が驚くべき変化を始めて―。アマゾンより

 第1回ファンタジーノベル大賞の最終候補作(大賞はあの後宮小説!)。
 心温まる、善き話。
 登場人物が皆善良で、希望溢れるエンディングに向かう姿は、良くも悪くもジュブナイルといったところか。
 何でも今時の小額何年生とかの雑誌には、恩田陸重松清の作品が付録として付いているらしいが、この作品も学習誌に連載されてそうな内容で、小・中学生時代に読んでいたら、きっと感動したんだろうなあ。
 残念なことにすっかり心汚れた今のオレは、登場人物達の考えや行動にいちいち「ケッ」と悪態をついてしまう、心貧しき大人になってしまった。
 そういう意味では、本書は読み手の心を計るリトマス試験紙なのかもしれない。

3/100